大学院地域社会研究科では、大学院レベルの教育研究分野の学びの機会を提供することを目的として、地域の社会人を対象に、令和3年12月15日、オンラインにて公開セミナーを開催しました(受講者は52名)。
本セミナーは、「ポストコロナの地域の自治と経済的自律」をテーマに、本学教員に加え、事業御構想大学院大学・准教授の重藤さわ子氏にご協力いただき、オンラインにて講義を実施しました。
初めに、佐々木純一郎教授による「地域の自治組織と経済活動の関係性」と題した講義からセミナーを開催しました。
地域経営の目的を再確認し、地域住民が主体となり経済活動に取り組んでいる3地区の事例を紹介するとともに、次世代へと活動を継承していく地域の持続可能性について説明がありました。
その後、「地域はカーボン・ニュートラルにどう向き合うべきか」をテーマに事業構想大学院大学・准教授の重藤さわ子氏による講義を実施しました。
脱炭素を取り巻く日本の現状についてご説明いただき、脱炭素への切り札である再生可能エネルギーの大半が地方に存在するにもかかわらず主権が域外へ流れていることに触れ、エネルギーに対する主権を地域に取り戻し、専門家・実務家の支援を得て地域が潤う事業を構築し、地域の経済活性につなげることが重要であると解説いただいた。
続いて、平井太郎教授による「農政の総合化にむけて」をテーマにした講義があり、関係府省・都道府県・市町村・民間が直接現場に出向き、地域の実態や要望を把握・調査・分析したうえで、課題解決を図る取組みを継続的に実施するための仕組みづくりの必要性について説明がありました。また、ポストコロナ社会を見据えた地域活性化につながる取組みを展開している自治体における様々な人材面・資金面での支援について事例紹介がありました。
最後に、「みどりの食料システム戦略を地域でどう生かすか」をテーマに、黄孝春教授の講義を実施しました。地球環境に配慮した有機農業の日本での取組みについて事例紹介があり、その普及の難しさと成功に必要な要素(適地であること、経営センス、消費者の理解と支援など)について解説がありました。