大学院地域社会研究科では、大学院レベルの教育研究分野の学びの機会を提供することを目的として、地域の社会人を対象に、令和2年12月5日、青森県三沢市にて公開セミナーを開催しました(受講者は27名)。
本セミナーは、「あらためて地域づくり人材をどう育てるか」をテーマに、本学教員・客員研究員に加え、農林水産省農村計画課 課長の庄司裕宇氏をゲストに迎えて講義及びパネルディスカッションを実施しました。
▲講義①竹ヶ原公氏
先ずは、「小さな経済から地域共生社会へ」と題した大学院地域社会研究科・客員研究員の竹ヶ原公氏の講義からセミナーを開催しました。
地域づくりにおける「小さな経済」について、これまで関わってきた地域での活動事例を紹介しながら説明があり、「地域住民の共通認識・住民の主体性」が、地域力の創造に重要な要素となることを解説しました。
▲講義②柴田彩子氏
続いて、大学院地域社会研究科・客員研究員の柴田彩子氏による「女性たちと食の力」をテーマにした講義を実施しました。
地域の四季折々の食材を自分たちで加工し、商品として提供している「食に関する女性グループ」について事例紹介があり、地域の歴史や文化を継承しつつ、女性たち自身が培ってきた経験を取り入れながら協力して活動していくという形態が、地域づくりという観点からも非常に重要であるということについて説明がありました。
▲講義③杉山祐子教授
次に、人文社会科学部・杉山祐子教授による「地域と何を、どう共創するのか:知識と人材」と題した講義を実施しました。
日本から遠く離れたアフリカでの農村開発政策や試行錯誤の上手にした、農法の技術革新について紹介があり、予想外の講義内容に受講者からも「興味深く、もう少し時間を取ってほしかった」との感想が多くあがりました。また、国内の集落再生事業の活動についても紹介がありました。
▲農林水産省:庄司裕宇氏による講義
パネルディスカッションにあたって、農林水産省農村計画課より庄司裕宇氏をゲストに迎え、「農村政策の展開方向(地域づくり人材育成の課題と対応方向)」と題してお話しいただきました。
農村の振興について、各地の事例を踏まえつつご説明いただくとともに、今後の農林水産省を中心とした関係府省や地方自治体等との連携に関する取り組みについて紹介いただきました。
また、地方自治体への具体的な取組みについて協力のお願いがあり、中央の考えを知る貴重な機会となりました。
最後に、全講師・受講者によるパネルディスカッションを実施しました。
農村地域・省庁・自治体職員との関係性・互いの立ち位置についてどう認識しているのかといった質問や、農林水産省が推進する地域づくりのワークショップには、利害関係のある職業人だけではなく、多岐にわたる参加者を募った方が良いのではといった提案・要望などもなされていました。
省庁からおいでいただく貴重な機会となったので、自治体職員からは、実践的な質問や要望が数多く上がり、充実した時間となりました。
▲パネルディスカッションの様子①
▲パネルディスカッションの様子②