大学院地域社会研究科では、大学院レベルの教育研究分野の学びの機会を提供することを目的として、地域の社会人を対象に、令和元年11月23日~24日にかけて、岩手県紫波町にて公開セミナーを開催しました(受講者は2日間累計27名)。
本セミナーは、「真の公民連携を科学する」をテーマに、本学教員に加え、紫波町企画総務部企画課長の鎌田千市氏にもご協力いただき、講義及び施設見学会を実施しました。
▲講義①北原啓司教授
1日目は、本研究科長・北原啓司教授による「「公」をデザインする!?」と題した講義が実施され、「人々の想いと、生き生きとした行為が「空間」を「場所」に変えていく」、また、お互いのリスクを少なくするための連携ではなく、連携が思わぬ創発を生み出す、それこそが「公」のデザインの醍醐味ではないかといった提言がなされました。
続いて、民間主導型の公民連携の成功事例であるオガール紫波の施設見学会を実施しました。「身の丈にあった規模で施設を造る、普遍的な集客を確保し、稼ぐ仕組みをきちんと考えている」など、地域の現状を踏まえた上で魅力的な空間を造り、持続させていく取組みに、参加者の興味も非常に大きく、至るところで感嘆の声が上がりました。
▲見学会①紫波町図書館
▲見学会②地域熱供給の仕組みを解説
▲講義②鎌田千市課長
その後、紫波町企画総務部企画課長の鎌田千市氏による講義が行われました。地域資源を活用し、ユニークな手法を用い、紫波町内でお金が回る経済開発の仕組みを構築するまでの取組みについてご紹介いただき、参加者からの質問にも応じてくださいました。
▲講義③平井太郎准教授
2日目は、平井太郎准教授の「SDGsに向かうプロセス」と題した講義があり、地域の取組みと環境・社会の持続に目配りしたビジョンの共有が共感の連鎖となり、持続的な収益性の確保・収益の還元につながっていくという流れについてご説明いただきました。
▲講義④土井良浩准教授
続いて、「市民組織による公的事業-公的空間の管理運営や利活用に着目して-」と題した土井良浩准教授の講義が行われました。
市民組織が主体となり公的空間の管理運営や利活用を進めて行く可能性について、具体的事例とともにご説明いただきました。