大学院地域社会研究科では、大学院レベルの教育研究分野の学びの機会を提供するために地域の社会人等を対象(受講生2日間累計58名)に研究科カリキュラムの内容を公開セミナーとして開講しました。
本セミナーは青森県八戸市において2日間(平成29年10月21日~22日)開催し、「ポスト地方創生」を大テーマに研究科教員の各視点により地域課題に着目した内容で4講義とまちあるきを実施しました。
1日目は講義として北原啓司地域社会研究科長が「いま地域に必要な3つのマネジメント」をテーマに国内外の事例紹介を交えながらまち育てはコミュニティ・マネジメントが重要であり、まちを担う人材を育てること、「空間」を「場所」に育てること、所有権にしがらみをはずして土地を育てることがポスト創生の時代の戦略であると講義しました。また講義終了後は研究科教員に受講者の1人である八戸ポータルミュージアム・主任コーディネーター柳沢拓哉氏がガイドに加わり、受講生たちは八戸市中心市街地活性化に向けた取り組みや事例等の説明を受けながら、中心市街地施設等を巡るまちあるきを実施しました。
2日目の講義では佐々木純一郎教授が「地場中小企業と社会的課題の解決」をテーマに、経営学的視点から地方創生と中小企業の取り組み事例等を解説し、講義後半では受講者とディスカッションを行いながら活発な意見交換をしました。続いて平井太郎准教授が「地域づくりワークショップの肝」をテーマに、少し先の未来について目標を設定し積み重ねるうちに大きな成功に結実するとワークショップでの具体事例を交え講義を行いました。最後に土井良浩准教授が「市民主体の集いの場づくりによるコミュニティ創生」をテーマに「地方創生」が実を得るために、個々の住民・コミュニティが地域の現状を我が事として受け止め、アクションをおこし、またそういった中で生み出される集いの場(場所)づくりが「ポスト地方創生」のひとつの有力な方策になるのではないかと、全国各地の取り組みを紹介しました。
セミナー終了後に実施した相談会では、より実践的なアドバイス等を求め、各教員へ多くの質問等が寄せられました。また受講生からは各教員の具体的なアプローチや実践が講義やまちあるきを通じ多様な角度から知ることができ、今後の地域連携を促進する上でもこのセミナーの重要性と可能性を感じたとの意見があり、大変有意義なセミナーとなりました。