21世紀の地域社会に必須な、地域の政策課題を解決する研究を総合的な立場で行う講座です。
選択科目
- 【選択科目】経済法・政策論 長谷河 亜希子
- 経済法の諸法の中でも代表的な法律である独占禁止法に関し、論文や審判決等を用いて学ぶことを通じ、競争政策について理解を深める。私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法、企業結合のいずれに焦点を合わせるかなどは受講生の問題意識に即して決定したい。
なお、諸外国の競争政策が相互に影響しあうことから、必要に応じて米、EU、中、韓などの諸外国の競争法についても検討を行いたい。
- 【選択科目】地方財政論 金目 哲郎
- 財政学・地方財政論に関する歴史的・制度論的アプローチによる文献や論文を通して、日本の行財政システム全体の枠組みから、地方分権型社会の構築とナショナル・ミニマムの保障の意義や課題を検討する。文献や論文は受講生の問題意識を考慮のうえ選定する。現代地方財政の変容を切り口にして、福祉国家財政にかかる諸問題の現状分析と将来を展望する。
- 【選択科目】地域経済統計分析論 花田 真一
- 地域の現状を把握し、適切な評価をするために必要な統計分析手法について考察する。政策を形成するにせよ、活動を行うにせよ、地域が置かれている状況を客観的に把握し、評価することは最初の一歩として重要である。地域の現状を定量的に把握する方法としては、地方自治体をはじめ様々な機関が公開している公的統計を利用するものや、意識調査のようなアンケート調査を利用するものがある。本講義では前者の公的統計の活用に着目し、集計データを分析する際の手法や解釈のしかた、留意点について考えていく。
- 【選択科目】地域社会と家族・ライフコース 髙瀬 雅弘
- 社会の変容と家族・個人の人生の関係性を捉える社会学的な視点の一つに、ライフコース・アプローチがある。本講義では、ライフコース・アプローチの諸概念と研究の実例を学びながら、「青森の(または東北の)人びとの人生」を通して、地域社会のありようを捉える可能性について論じる。
- 【選択科目】地域教育実践論 小瑶 史朗
- まず「地域に根ざした教育」の歴史的展開について、戦後日本の教育をいくつかの時期に区分した上で、各時期の「地域に根ざす」ことの意味内容がいかなるものであったかを、具体的な教育実践の中に探っていく。その後、グローバリゼーションやリスク社会、持続可能な開発などの動向も視野に入れながら、今日の地域教育実践の方向性を探っていく。
- 【選択科目】地域教育社会学論 福島 裕敏
- 教育実践と理論との関係についての理解を踏まえ、教育学及び教育社会学の理論に基づき<教育>について構造的・分析的に理解し、教育実践のあり方について考察していく。
- 【選択科目】発達支援・臨床保育論 増田 貴人
- 地域を検討するにあたり、意見を出しにくいマイノリティのことを無視してはならない。彼らの意見を取り込んだり、そもそも多様な社会であることを前提に考えをまとめていくことは、地域づくりにおいて重要な観点である。本講義では、障害児や幼児に焦点をあて、臨床発達心理学の観点から、インクルーシブ教育と発達支援についての検討するものである。
- 【選択科目】地域公共政策論 蒔田 純
- 地域における公共政策を官民双方の視点から捉え、学問的な基礎を踏まえた上で、地域が直面する今日的課題を考えるための授業とする。
政策過程の基本的な流れやそこにおける中心的なアクターについて代表的な理論・考え方を理解した上で、実際の具体的事例を取り上げ、そこにおいて諸要素がいかに関連し、いかなる因果関係が生じているか、それが現実においていかなる結果をもたらしているか、について検討する。
演習
- 【演習】 土井 良浩
- 市民・行政・NPO・企業等の多様な主体が地域政策の形成及び実行に関与してゆくための実践的手法を考究する。受講生は、行政、市民、NPOに加え、大学や民間企業等による協働・連携の具体的な取り組みやプロジェクトに参画・関与し、その歴史的経緯や実態の把握、課題の発見、代替案の構築等の作業と、その定期的な報告を行う。
- 【演習】 長谷河 亜希子
- 「競争法と知的財産法」「規制産業(電気・通信・航空など)と競争法」「下請企業と競争法」「フランチャイズ・システムと競争法」といったように、競争法とかかわりのある諸分野で生じている諸問題について、論文・審判決等を検討するといった方法で、理解を深めることを課題とする。
- 【演習】 金目 哲郎
- 財政学・地方財政論に関する先行研究をサーヴェイし、論点を整理したうえで、現代(地方)財政が直面する問題や改革課題を展望していく。
- 【演習】 花田 真一
- 履修者の関心に沿ったテーマについて、関連する実証分析の文献を読み、討論する。また、履修者の研究関心に近いものについては、同様の手法を用いて計算し、手法を身につけることを目指す。
- 【演習】 髙瀬 雅弘
- 社会学、なかでも地域社会学、家族社会学、教育社会学、歴史社会学に関する文献を履修者の関心に沿って選定し、その内容を批判的に検討する。
- 【演習】 小瑶 史朗
- 履修者の関心に沿って、地域教育・市民性教育に関する文献・論文を選定し、演習を進めていく。
- 【演習】 福島 裕敏
- 履修者の関心を踏まえながら、教育学、教育社会学、教育実践領域に関する文献を選定して、その講読を演習形式で進めていく。
- 【演習】 増田 貴人
- 発達支援・保育臨床の分野や臨床発達心理学的視座から考えることをとおして、履修者自らの研究テーマを深めていく。
- 【演習】 蒔田 純
- 研究を進める上で必要な知識・思考様式の取得を前提とした文献講読、及び、それを踏まえた具体的な研究実践の訓練を行う。
特別研究
- 【特別研究】 土井 良浩
- 受講生の問題関心に基づき、市民主体のまちづくりや市民を中心とする政策形成の先行研究や方法論に関わる文献をセレクトして精読し、ディスカッションを通じて理解を深める。
- 【特別研究】 長谷河 亜希子
- 民商法分野(含む経済法、知財法、消費者法)に関して、判例・論文を検討し討論を行うことにより、法的正義・衡平について考察を重ねつつ、各自の問題意識をさらに掘り下げる。
- 【特別研究】 金目 哲郎
- 現代(地方)財政について受講生が研究課題を設定し、具体的な資料やデータに基づく事例研究を行い、これを報告する。
- 【特別研究】 花田 真一
- 地域や産業を1つの組織体としてとらえ、政策や経済・社会環境の変化に対して個々の構成主体がどのように反応し、その結果全体がどのように変化するかを分析する。
- 【特別研究】 髙瀬 雅弘
- 受講者の問題関心に基づき、地域社会が直面する諸課題に関する社会学的なアプローチを用いた先行研究を購読したうえで、利用可能な資料・データの収集・分析方法を実践的に学び、各自の研究の発展的展開を目指す。
- 【特別研究】 小瑶 史朗
- 各自の問題関心に基づいて、社会科教育ないし市民性教育に関する先行研究の分析を行い、その動向を把握するとともに課題を析出し、新たな研究枠組みの提案や学習プログラムの開発などに取り組む。
- 【特別研究】 福島 裕敏
- 履修者の研究テーマの検討、それに基づく先行研究のレヴューと研究方法の検討を経て、あらためて研究テーマを再検討した上で、データ収集と分析結果の発表・討論を行い、論文執筆内容の検討を行う。
- 【特別研究】 増田 貴人
- 発達支援・保育臨床の分野や臨床発達心理学的視座から考えることをとおして、自らの研究テーマを深めていくことができる。
- 【特別研究】 蒔田 純
- 博士論文執筆のための研究指導を行う。各回、受講者が研究報告を行い、授業参加者間での討論を経て、最終的に博士論文の完成につなげていく。